新しい信託法とその活用例②

 

遺産分割と遺留分減殺請求に対応したい

 

 Aさん(88歳)には妻B(85歳)と、独立している長男Cがいます。

 Aさんは自宅を兼ねた賃貸マンションの他には大きな資産がありません。Aさんは、自分が死亡した場合、妻を自宅に居住させたいと思っています。しかし、今の相続制度では、仮に賃貸マンションを妻Bに相続させる遺言を遺したとしても、Cから遺留分の主張があった場合、これを売却せざるを得ません。

そこで、以下の“遺言信託”をすることにしました。

 

 ①Aさんは、他の親族Dを受託者とし、妻Bに自宅を使用させ、賃貸マンションの家賃は生活費に充てることができることとし(収益受益権者)、

      長男Cには不動産の所有権を取得させます(元本受益権者)。

 ②収益受益権者Bが死亡した場合、新たに長男Cがこれを取得することにします。

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    受益権を「収益」と「元本」に分化させることにより、Aさんは遺産分割を回避して妻Bに不動産を利用させることができます。また、Cは第一次相続の段階で、遺留分減殺請求はできないと解されます。